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(出版社:三恵社の許可を得て転載しています)
 
はじめに

 「あなたとともに」と題されたこの冊子は、乳がんサバイバーと医学生の共同作業によるこころの詩集・写真集です。

 第一部「こころの動き 衝撃から新しい希望へ 〜キュブラー・ロスによる12の悲嘆のプロセスをテーマに〜」では、衝撃に打ちのめされてから立ち直るまでの"こころの動き"が、12組のことばたちと画像で表現されています。

 第二部「こころのおくりもの 〜今こそ伝えよう、ありがとう〜」では、寺田佐代子さんのこころのつぶやきに、小川崇くんのやわらかい感性が呼応していると思います。

 がんを生きるひと、悲しいできごとに打ちのめされたひとに手にとってほしい、そんなひとへプレゼントしてほしい、そんな願いを込めて、この冊子をつくりあげました。

 "WITHNESS" ともにいること、ともに生きること、私たちが大切にしている、こころの"愛ことば"です。

堤 寛(病理医)

 

あとがき

 寺田佐代子氏は、愛知県でNPO法人ぴあサポートわかば会を主催する乳がんサバイバーです。がん患者のこころのサポートを、ピアサポート(患者同士の支えあい)の形で、ねばり強く実践しています。その中で、3冊の「こころのセルフケアノート」を発行してきました。

 彼女が実践するのは、医療機関ではできない、がん体験者ならではのユニークながん患者支援の姿であり、地域社会の中(病院の外)に求められるがん患者のQOL(quality of life)向上への有効なあり方なのです。

 私は、「患者さんに顔のみえる」病理医として、わかば会の立ちあげからずっと、寺田佐代子氏とともに歩んできました。私のオーボエとサヨコのピアノ、このへなちょこデュオ演奏もずいぶんと歴史を残してきたことになります。はからずも、病院では聞けない患者さんの本音を聴かせていただいた結果、私は、患者のニーズ、こころのふるえを深く知る(感じる)ことになりました。感謝。

 小川崇くんは、私が勤務する藤田保健衛生大学医学部の学生で、写真部に所属しています。雲の写真が得意な、こころ優しい青年です。NPO法人ぴあサポートわかば会のホームページをつくりこんでくれた、"ゆとりある"医学生でもあります。わかば会のホームページhttp://www.npowakabakai.comは情報満載です。ぜひ、訪問あれ。

 こうした出会いの中で生まれたのが、この冊子「あなたとともに WITHNESS」なのです。サヨコのこころのうたとタカシのやわらかい表現力がよく呼応していると私は信じます。

 この冊子が、がんを生きるひと、悲しいできごとから立ち直ろうとするひとに、少しでも役立つことを、こことから祈ります。この冊子を編集する最終過程で東北関東大震災が起こり、こころを痛めています。震災で被災した多くの人たちにも、私たちの思いを伝えたいと思います。

2011年3月
藤田保健衛生大学医学部病理学
堤 寛(病理医)

 
「あなたとともにWITHNESS」
2011年4月20日 初版発行

(\600+税)

詩:寺田佐代子 (NPO法人ぴあサポートわかば会、理事長)
写真/編集:小川 崇 (藤田保健衛生大学医学部学生)
監修:堤 寛 (藤田保健衛生大学医学部教授)

発行:NPO法人ぴあサポートわかば会
連絡先:寺田佐代子
(NPO法人ぴあサポートわかば会、理事長)
Email:wakabakai-sayoko@r7.dion.ne.jp
URL: http://www.npowakabakai.com


印刷:三恵社
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