![]() (出版社:三恵社の許可を得て転載しています) |
あとがき 本書は、withnessシリーズ(三恵社)の第三作、「こころのセルフケアノート」のvol. 2に相当する。2011年4月に上梓した「あなたとともに withness 〜がんサバイバーの詩に現役医学生の写真が向き合う〜」は患者と医学生の共同作品でした。第二作「あなたとともに WITHNESS 〜こころのセルフケアノート〜私が私らしく生きるために・・・」(2011年11月)は、寺田と堤のお気に入り写真に加えて、東日本大震災被災地(奥州市)に住む自然写真家、細川光司氏からすてきな写真を提供いただいて、完成させることができました。 本書は、写真をこよなく愛する臨床検査技師、私の仕事仲間でもある坂本寛文氏からいただいたカレンダーに掲載された写真の優しさに魅せられたことがきっかけでした。坂本氏の季節感あふれる写真が、みなさまの感性の機微に触れ、自分らしい自己表現を引き出してくれることを祈ります。“私が私らしく生きる“ことを思い出してください。 「withness」はともにいること。がん患者支援のキーワードです。こころの“愛ことば”です。そう、withnessのこころを感じていただき、とかく医療や周囲の人に依存的になりがちのがん患者さんが、一人でも多く、自立へ向かう気づきを得て、「自己実現」を達成していただけたら幸いです。 もし、あなたの近くに、自立してほしい、立ち直ってほしいとあなたが感じる、そんながん患者がいるなら、この冊子シリーズがその方への最良のプレゼントになってほしいと願います。 2003年春に発足した乳がん患者会「わかば会」は、2009年10月、NPO法人ぴあサポートわかば会として再出発しました。そして今、認定NPOへとさらにステップアップしようとしています。立ちあげから現在まで、私のオーボエと寺田さんのピアノによる音楽活動を交えて、ともに歩んできた医療者として、親しき友人として、“患者アドボカシー”を常に模範演技するわかば会リーダーの寺田佐代子さんとその前向きの姿勢・行動力をこころから応援したいと思います。 南山短大で深く培った“人間関係トレーニング”のノウハウ、グループワークによる“こころのセルフケア”を実践するファシリテーション力。がん患者の自立、本物のアドボカシーを促す正真正銘のがん患者支援。難しい病気の成り立ちや治療法の詳細を学ぶより、患者自身が“自分らしさ”に気づいて、ポジティブ思考へと切り替えることが大事!と彼女は言い切ります。がん患者、医療者、学生や障碍者が対等に、みんなで奏でる音楽が、優しいこころの潤滑剤となっているのです。 彼女が実践するのは、医療機関ではできない、がん体験者ならではのユニークながん患者支援の姿であり、地域社会の中(病院の外)に求められるがん患者のQOL(quality of life)向上への有効なあり方だと信じます。
2012年9月 |
「こころのセルフケアノートvol.
2」
2012年9月3日 初版発行 (\686+税)
発行:NPO法人ぴあサポートわかば会 |